藤沢市で「次世代モビリティフォーラム」が開催、小田急電鉄・神奈川中央交通・慶應義塾大学などの共催で

藤沢市で「次世代モビリティフォーラム」が開催、小田急電鉄・神奈川中央交通・慶應義塾大学などの共催で

6月10日に慶應義塾大学湘南藤沢キャンパスで「次世代モビリティフォーラム」が開催されました。
このフォーラムは今月1日から行われていたSBドライブ・先進モビリティが行う自動運転バス実証実験に併せて行われ、実証実験およびフォーラム開催に協力する各社による講演と自動運転バスや電動車いすの試乗体験が行われました。
講演会場では黒岩知事神奈川県知事のほかイベント共催各者の代表者がそれぞれ約30分の講演を行いました。

 

「次世代モビリティフォーラム」、気になる講演内容は

神奈川県(講演者:黒岩知事)

神奈川県がこれまで取り組んできた自動運転開発に関する特区での事例を通じ、実証実験を重視していることを強調。神奈川県が自動運転をはじめとした次世代のモビリティの研究開発を積極的に支援していることをPRしました。

神奈川県で行われている特区の取り組みを紹介する黒岩知事
神奈川県で行われている特区の取り組みを紹介する黒岩知事

 

慶應義塾大学(講演者:大前教授)

自動運転などの研究に携わる大前教授は学部生や大学院生の実験などの取り組みを紹介。様々なユニークな取り組みを通じて多角的な自動運転に関わる研究開発成果を紹介しました。

慶應義塾大学・大前教授
慶應義塾大学・大前教授
大前教授は大学生のユニークな研究を紹介した
大前教授は大学生のユニークな研究を紹介した

 

慶應義塾大学(講演者:佐藤特任准教授)

ITSを専門にする佐藤特任准教授はプローブ情報に関する研究やシンガポールで進んでいる道路交通改善の取り組みについて紹介しました。

慶應義塾大学・佐藤特任准教授
慶應義塾大学・佐藤特任准教授
佐藤特任准教授はシンガポールでの交通施策・研究について紹介した
佐藤特任准教授はシンガポールでの交通施策・研究について紹介した

 

神奈川中央交通(講演者:今井取締役兼経営企画部長)

神奈川中央交通の特色と現在の課題について講演。特に事故の防止や運転士不足について強調し、SBドライブや先進モビリティの持つ自動運転に関する技術を利用して事故防止や運輸サービス向上を図りたいと表明しました。

神奈川中央交通・今井経営企画部長
神奈川中央交通・今井経営企画部長
神奈川中央交通は指差喚呼をはじめ、安全管理に力を入れている事業者で知られる
神奈川中央交通は指差喚呼をはじめ、安全管理に力を入れている事業者で知られる

 

いすゞ自動車(講演者:奥山執行役員)

「輸送を止めない」ということをテーマにした取り組みとして、トラックの隊列走行やプローブ情報を利用した災害時の情報提供を紹介。またバスの安全性やサービス向上の取り組みも紹介しました。

いすゞ自動車・奥山執行役員
いすゞ自動車・奥山執行役員
いすゞ自動車ではトラックをはじめとした商用自動車の運行を助ける技術開発に力を入れる
いすゞ自動車ではトラックをはじめとした商用自動車の運行を助ける技術開発に力を入れる

 

SBドライブ(講演者:佐治社長)

SBドライブの立ち位置や自動運転の実証実験を紹介。なるべく早い自動運転バスの実現には、積極的な実証実験により人々に受け入れやすくしてもらうことが必要であることをアンケート調査の結果などから解説しました。また、講演中に実験中の自動運転バスへ遠隔監視システムを通じて話しかけたり、自動運転のある未来のイメージを伝えるムービーの放映をするなど、自動運転の未来がすぐそこまで来ていることを紹介しました。

SBドライブ・佐治社長
SBドライブ・佐治社長
講演の途中では実証実験中のバスに遠隔で話しかけるシーンも見られた
講演の途中では実証実験中のバスに遠隔で話しかけるシーンも見られた

 

フォーラム会場内で行われた試乗体験

今回試乗体験ができたのは、SBドライブ・先進モビリティの自動運転バス(日野自動車・ポンチョを改造)と慶應義塾大学の自動運転車(トヨタ・エスティマを改造)と次世代型電動車いす「WHILL」。構内の道路ではバス停に停車中の自動運転バスを自動運転車が追い越すシーンも見られました。

慶應義塾大学で開発中の自動運転車。湘南藤沢キャンパスでは2001年から自動運転車の実験が行われている
慶應義塾大学で開発中の自動運転車。湘南藤沢キャンパスでは2001年から自動運転車の実験が行われている
自動運転車が自動運転バスを追い抜く。未来を感じるシーンだ
自動運転車が自動運転バスを追い抜く。未来を感じるシーンだ

「WHILL」は最高時速6キロまで出せるもの。すでに国内外で1000台以上販売されています。実際に試乗したところ、直感的な操作性とパワーが魅力で、今回乗車したモデルでは1台100万円と普通の車いすの3倍程度に価格が抑えられていました。また、後継モデルでは45万円とかなり価格が抑えられており、今後の普及に期待が持てそうです。

次世代電動車いす。このモデルは四輪駆動だという
次世代電動車いす。このモデルは四輪駆動だという

 

今回のフォーラムを通じて自動運転車の実現に向けた取り組みは加速するか

講演の最後には小田急電鉄の星野社長が「まずは慶応大学と湘南台の間を結ぶバスで自動運転を実現したい」と表明しました。

今後、小田急グループは自動運転車両の技術開発をサポートしていく考えだ
小田急電鉄・星野社長。今後、小田急グループは自動運転車両の技術開発をサポートしていく考えだ

今年9月には江ノ島で行われるセーリングワールドカップでの自動運転バスを試験導入する予定で、今後小田急グループを挙げた自動運転の取り組み支援を行っていくようです。同社は今年の中期経営計画MaaS(Mobility as a Service)に向けた取り組みを行うことを打ち出しており、輸送サービスを通じて沿線価値向上を図っていく狙いがあるものとみられます。

いずれにしても、今回の実証実験・フォーラムは小田急グループにとっては取り組みの第一歩。今後各企業との提携に基づいてどのような取り組みを進めていくのか、注目となりそうです。

(文・写真=鳴海行人)

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