群馬大学・イオン・千葉市が幕張での自動運転実証実験を公開。果たして、群馬大学の自動運転車は何が違うのか?

群馬大学・イオン・千葉市が幕張での自動運転実証実験を公開。果たして、群馬大学の自動運転車は何が違うのか?

イオン、群馬大学、千葉市で公道を使用した自動運転を実施。その使用車両は?

5月24日に千葉市美浜区の海浜幕張駅周辺で、自動運転車の公道実証実験の一般公開が行われました。
この実験はイオン、群馬大学、千葉市の合同事業により行われています。実験ではトヨタのアルファードを改造した車両が使用されました。
自動運転に際しては車両上で回転し、周囲の景色をとらえるレーザーセンサーと後方の円盤形状のGPSアンテナを組み合わせて自らの位置を把握する仕組みとなっています。また、信号認識用全方位カメラや障害物検知用のレーザーセンサーを使い、周囲の状況を認識しています。

今回の実験で用いられたアルファードは1000万円を投じて自動運転向けに改造されている
今回の実験で用いられたアルファードは1000万円を投じて自動運転向けに改造されている

車両を用意した群馬大学は2016年10月に次世代モビリティ社会実装研究センターを設立し、全国の公道で実証実験を繰り返しています。今回は全国10例目にあたり、同センターでは2020年度にレベル4(限定地域での無人自動運転)を目指しています。今回の実験ではレベル2(常に運転者が安全確認を行い、必要に応じて人間が運転を行う)で行われました。
群馬大学次世代モビリティ社会実装研究センターの小木津武樹副センター長は、「こういう自動運転に触れられる場を設けることで、普及に向けた議論を加速につながる」と実証実験の意義についてコメントしました。

 

なぜ幕張で実験が行われたのか?

今回の実験エリア選定には政策的な側面が大きく働いています。海浜幕張駅周辺を含む幕張新都心地区は国家戦略特区に指定されており、自動運転導入に向けた取り組みが進められることになっているのです。
また道路条件の良さも実験エリアに設定された動機としては大きく、「道路整備が進んでいて、かなり親和性が高い地域」(群馬大学・小木津副センター長)であるといいます。
今回、自動運転を体験した熊谷俊人千葉市長も記者団に対し、「官民とも自動運転を運用したいという共通のニーズがあるというのも幕張の特徴なのではないか」とコメントし、幕張地区の自動運転エリアとしてのポテンシャルをアピールしました。

熊谷千葉市長(写真左)と群馬大次世代モビリティ社会実装研究センター小木津副センター長(写真右)
熊谷千葉市長(写真左)と群馬大次世代モビリティ社会実装研究センター小木津副センター長(写真右)

幕張地区はイオンモール幕張新都心をはじめ大型商業施設が立地しています。そのため、公共交通機関では行きづらくなりがちな大型商業施設に対してのアクセシビリティを向上させるために自動運転を活用できるのではないかという期待も膨らみます。

 

群馬大学の目指す自動運転のカタチ

自動運転は国内外の様々な事業者が実用化に向けて開発のしのぎを削っています。その中で群馬大学が目指す自動運転のある未来は他の事業者とは少し違います。
群馬大学・小木津副センター長は「いままでの車はあらゆるところを走る必要があったのでインフラに頼れない面があった。しかし(運行ルートを)限定すれば自動運転が弱点としているところをインフラに頼ることができる」といいます。つまりクルマ側のセンサーを高級にするのではなく、道路側のインテリジェント化といった、例えば赤や青信号の表示といった信号のパターン情報をそのまま自動運転車へ送信するような、インフラと自動車の協力体制の中で自動運転を実現させる未来を想定しているのです。

もしかすれば、近い将来にはイオンモールを周回するバスに自動運転が導入されるかもしれない
もしかすれば、近い将来にはイオンモールを周回するバスに自動運転が導入されるかもしれない

熊谷千葉市長も「インフラ事業者としても5年から10年くらいを見据えながら、計画的にやっていき、できるだけ技術的動向や実装にあたって意識しておくことが分かっていれば、無理のないかたちで先駆的にスタートできるのではないか。」と期待を寄せます。
一方で、自動運転に関しては法整備の整備がこれからとなります。今後は自動運転技術そのものだけではない、様々な議論が求められていきそうです。

(取材・文=かぜみな)

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