「標準的なバス情報フォーマット」を利用して公共交通を考えよう

「標準的なバス情報フォーマット」を利用して公共交通を考えよう

岡山のバスが風雲急を告げています。
地域最大手のバス会社、両備グループが2月8日に31路線の廃止届を提出し、話題となりました。

 

岡山市中心街の「天満屋バスターミナル」横を走る両備グループの「岡電バス」。
岡山市中心街の「天満屋バスターミナル」横を走る両備グループの「岡電バス」。

直接の原因として両備グループの小島会長があげたのが、ドル箱路線西大寺線へ八晃運輸が参入することです。
これにより両備グループは大幅に収益を奪われ、赤字路線の維持が難しくなるため、31路線の廃止届を「あえて」提出したといいます。目的は地域交通路線維持のための議論を巻き起こすためだと小島会長は強調しました。
ちなみに、実際に路線が廃止された場合、影響を受けるのは岡山市、倉敷市、玉野市、瀬戸内市と広範囲に及びます。詳しい情報や経緯は両備グループのサイトに詳しく掲載されています。

バス路線廃止届提出に関する特設情報サイト 

こうした事態を受け、国会でも津村啓介議員(希望の党)が国会質問で取り上げるほどとなっています。

両備のバス廃止届問題 首相「国交省も必要な協力」

今回の件は和歌山電鐵や津エアポートラインや中国バスといった地方交通の再生を手がけてきた両備グループからのメッセージということもあり、両備グループを応援する声は大きいです。

 

八晃運輸とは何者なのか?

ところで、その両備グループが槍玉に挙げた八晃運輸という会社はどういう企業なのでしょうか?
正直、公式ホームページ以外の情報はあまりありません。

岡山市中心部循環バス「めぐりん」

どうやら廃棄物処理業を中心に手がける八晃産業という会社が親にいるようですが、会社情報・運行情報ともにわかりにくく、いつ・どこに走っているのか、どうやって乗るのかもホームページを見ないと不明瞭な会社です。
ドル箱路線とはいえ、よくわからない会社の参入に地域で長年事業を続ける両備グループが目くじら立てているのもちょっと謎です。そんな折りに今回匿名希望の方からではありますが、岡山の交通を知る人から八晃運輸の運行路線に関するデータをいただきました。

 

八晃運輸のダイヤデータ

今回いただいたのは「標準的なバス情報フォーマット」という形式に則って作成されたデータです。2017年に国内で作られました。下のリンクからダウンロードすることができますので、興味のある方は下のリンクからダウンロードしてみてください。

八晃運輸のダイヤ・静的データ(標準的なバス情報フォーマット)

このフォルダには「GTFS」と書いてありますが、昨年、国内で作られた「 標準的なバス情報フォーマット」という形式に則って作成されたデータです。

報道発表資料:「標準的なバス情報フォーマット」を定めました

岡山では宇野バスでも上記フォーマットに則ったデータの配布が行われています。

宇野バス オープンデータ

こうしたデータを使うことでダイヤ、停留所の位置、運行ルートを知ることができます。
そして、それらのデータを利用すると地域ごとの交通サービスの充実度が可視化することができます。

さて、八晃運輸というのはどのような交通サービスを提供している企業なのでしょうか。そして、データからどんなことが考えられるのでしょうか。これから数回にわたり、オープンデータを使って考えていきたいと思います。

 

<補記>
ちなみに、ダウンロードしたファイルは解凍するとtxtファイルが出てきますが、それをExcelで開くと少し情報がわかるかもしれません。参考までにこんなスライドを貼っておきますので、有効活用してみてください。

スライド13枚目からファイルの見方が載っています。

 

<ここからはIT技術者の方向けの話です>

標準的なバス情報フォーマットはgoogleのフォーマット”GTFS”に近い形になっています。利用ツールとしてはこのようなものがあります。

google/transitfeed

また、策定に当たって中心となった東大の伊藤昌毅助教の資料を載せておきます。

参考にされてみてください。

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