オーシャンブルースマート、バイシクルエキスポ2018で今後のシェアサイクル事業展開を発表

オーシャンブルースマート、バイシクルエキスポ2018で今後のシェアサイクル事業展開を発表

5月29・30日の2日間、東京ドームシティ(東京都文京区)で開催された「バイシクルシティエキスポ2018」では、各地のシェアサイクル事業者が出展していました。

その中でも目立っていたのは、都内でシェアサイクルサービス「PiPPA(ピッパ)」を展開するオーシャンブルースマート(同板橋区)。

「年内に自転車の稼働台数を業界最大の1万台へ増やす」という発表や、来月から始まる「宮崎交通」と共同で行うシェアサイクル事業用の自転車展示などを行っていました。

 

バイシクルエキスポ2018内のPIPPA!ブース。記者発表スペースのすぐ横という目立つところにあった。
バイシクルエキスポ2018内のPIPPA!ブース。記者発表スペースのすぐ横という目立つところにあった。

交通事業者との協業は宮崎のほかにも今月は京都で大手私鉄の「京阪電気鉄道」とも共同で事業を行います。

現在、加速度的に進むシェアサイクルの普及。シェアサイクルは、従来のレンタサイクルと違い、「24時間利用可能」「短時間の利用が可能」「エリア内に設置されたポートに乗り捨て可能」といった、フレキシブルに行動ができる利点を持つのが大きな特徴です。

 

宮崎で導入する予定のPIPPA!の車両。宮崎交通のカラーに合わせたデザインとなっている
宮崎で導入する予定のPIPPA!の車両。宮崎交通のカラーに合わせたデザインとなっている。

 

なぜ鉄道・バス事業者はシェアサイクル事業者と組むのか

そうした既存の公共交通機関の事業者がシェアサイクル事業という、新たな公共のモビリティに取り組むのはなぜでしょうか。

 京都、宮崎両ケースでのポートの設置場所からは、それぞれが所有する路線からの2次交通の手段としての役割が期待されているように見えます。たとえば京都のケースでは、京阪電気鉄道の駅(出町柳、神宮丸太町、三条、七条)にポートが設置されます。また宮崎のケースでは、「駅や主要バス停近隣の自社保有地や民間用地、および公共空間など市街地への設置」(宮崎交通プレスリリースより)が行われるようです。
 宮崎のケースではバス交通との連携をイメージして、バス停で使用されている赤、青、白のトリコロールカラーを貸し出す自転車に採用しており、より鮮明に「自社バス路線との連携」が打ち出されています。

 

シェアサイクルは都市の中でどのような役割を果たせるか

 また、シェアサイクルは自動車社会がもたらしている課題への「処方箋」と捉えることもできそうです。
 京都では観光客の増加に伴う渋滞や混雑が各所で発生し、道路交通の麻痺が大きな課題として持ち上がっています。京都での取り組みでは、観光客が渋滞と無縁なシェアサイクルを活用することで、渋滞の解消への一助になると期待されています。

 宮崎では都市機能が自動車社会に合わせて郊外へと流出していくことが課題としてあります。宮崎市は比較的市街地中心部の活気は保たれている都市ではありますが、郊外に立地するショッピングモールがさらなる増床計画を発表するなど、常に郊外の脅威にさらされ続けているのは日本全国の様々な都市と同様です。
 市街地で威力を発揮し、回遊性を生み出すシェアサイクルの取り組みはそうした市街地中心部の活力維持への期待感があります。ひいては市街地中心部へ向けたバス路線を多数運行する宮崎交通にとっては、シェアサイクルを通じた中心部の活性化は自社の路線バスの利用客の増加にもつながる可能性を持つと判断したと言えそうです。

 

シェアサイクルは日本の都市の姿を変えるか

 こうした様々な可能性を秘めているシェアサイクル。現在はいくつもの事業者がそれぞれの地域で事業を展開していますが、まだまだ伸びしろは大きいです。今後、シェアサイクルが日本全国に広まっていくにつれ、日本のまちのすがたは大きく変わるかもしれません。

 

(文=かぜみな 編集・写真=鳴海行人)

シェアサイクルカテゴリの最新記事