日本に上陸した世界的シェアサイクル「ofo」、その特徴と今後の展開は

日本に上陸した世界的シェアサイクル「ofo」、その特徴と今後の展開は

5月29・30日の2日間、東京ドームシティ(東京都文京区)で開催された「バイシクルシティエキスポ2018」で記者が気になったのは中国発の世界的なシェアサイクル事業「ofo」のブースです。
日本では今年3月末に和歌山県和歌山市での事業をスタートさせ、現在では北九州市と大津市も加わり、3都市での事業を展開しています。

 

世界に広がるofoのシェアサイクルと彼らのミッション

ofoは2014年に北京で創業し、4年間で22か国、250以上の都市で事業を展開するまでの急成長を遂げ、今や世界最大級のシェアサイクル事業を展開する企業です。
CEOをつとめる戴威(ダイ・ウェイ)は北京大学の出身で、事業を開始した時にはまだ北京大の大学院生でした。彼は手始めに大学内でのシェアサイクル事業に取り組みます。この事業が大ヒットし、複数の大学での採用、市街地への事業拡大とつながっていきます。
そんなofoは「ラストワンマイル」の移動手段として都市交通課題を解決させること、エコな移動でCO2を削減させること、人と街をつなぎコミュニティを活性化させることをミッションとして掲げています。「ラストワンマイル」とは、公共交通から目的地まで、出発地から公共交通まで、公共交通が行き届いていない場所間の短距離移動のことで、そうした短距離の移動ニーズを満たすことを狙いとしています。
そして創業地である中国の環境事情を色濃く反映し、大気汚染の解消をはじめとする、環境保護の側面を大きく打ち出しています。その中で取り組みの一つとして世界初となる周囲の空気を浄化する自転車「Smog free bicycle」をオランダのデザイン・ラボ「スタジオ・ローズガールデ」との協働で開発しました。

ofoのシェアサイクルに使用される車両。QRコードを用いて解錠を行う
ofoのシェアサイクルに使用される車両。QRコードを用いて解錠を行う

 

日本ではまずポート式からスタート、いずれ乗り捨て型へ

もともとの中国の事業では「乗り捨て型シェアサイクル」を導入しており、乗りたい場所で周辺にあるofoの自転車を専用アプリで探して乗り、降りたい場所で施錠し、そのまま放置できる(放置された自転車は別の利用者がそこから利用するか、業者の手によって需要の高いエリアへ移動される)、自転車の貸出ポートを設けない形でのシステムが導入されています。
こうした仕組みであれば究極な形での「目的地まで」の足を確保できますが、放置自転車に対する抵抗やマナー意識の観点から、今回の日本での導入では、専用ポート(ラックではなく区画)を用意し、そのポート間で利用してもらう「専用ポート式」が採用されています。担当者によると今後自転車マナー意識の改善が進めば専用ポートではなく、まちなかのどこでも乗り降り可能な形式にしていきたいとしています。

ofo のアプリ。全世界で使うことができる。
ofo のアプリ。全世界で使うことができる。

 

全世界で自転車を借りられるというofoの強み

また世界各都市で運用しているシェアサイクルは、すべて同じofoのアカウントで借りることが可能というメリットもあります。これは日本人が海外のofoを気軽に利用できるようになるというだけではなく、逆に日本にやってくるインバウンド観光客に対しても、日本国内で展開されているofoのシェアサイクルは非常に利用しやすいものになり、観光の自由度や充実度を上げることができるという利点があります。
こうした様々な可能性を秘めたofoのシェアサイクル事業。快適な移動手段の提供だけでなく、まちづくりやまちの魅力を再発見する取り組みなどにも、大きな実力を発揮しそうです。

 

(文=かぜみな 編集・写真=鳴海行人)

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